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妖斥人167

 爪が、いずみに触れる寸前で止まった。その腕が震えた。
「どうして?」
 ころくは驚愕の声をあげた。
 くらははその隙を見逃さなかった。すっと素早い動きでころくの後ろに立ち、刀を振り上げた。天へと伸びた刀へ雨が降り注ぎ、刃を伝った。
 ころくの腕の震えが大きくなる。ころくを縛る何らかの力は、抵抗の限界へと来ていた。
 くらははそれを見て取ると、ころくの背に向かって迷いなく刀を振り下ろした。冷ややかな瞳が崩れゆくころくの姿を映した。
『今のはわらわではないぞ』
 たまもはわずかばかり慌てていた。たった今まで拒否していたくらはが、何のためらいもなく刀を振り下ろしたからだ。
『分かってる。アタシがやった』
 落ち着いた声がたまもに返った。
「アイツは人でも妖でも……ましてや異者でもなかったから」
 音となったくらはの声が雨の中に響いた。
 ころくは狐から、元の姿へと戻っていた。死した妖がもう一度死ぬことはない。縛られていた父狐の魂はころくが死んだとき解放されていた。
 村長が息子の亡骸へと駆け寄る。
 その姿を捉えながらくらはは意識を失った。


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